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2016年8月

本物として存在する

先日、木こりをしている友人のイベントで、きらめ樹という皮むき間伐を体験しました。杉や檜の樹皮を剥いて立ち枯れさせてから間伐するというものです。樹皮に一カ所縦に切り込みを入れ、そこに竹できたヘラのような道具をググッと差し込み、皮と幹の間を根元までメリメリ・スルスルと裂いていく感触は、何とも言えない面白い感覚でした。そして初めて根元まで剥けた瞬間、中から真っ白でつやつやした樹の幹が現れ、思わず「わぁ!きれい」と声をあげ、その美しさに見とれました。

 

 

その日は朝から疲れてだるいような体の感覚でした。そのままメールチェックをしていると、仕事の依頼のメールが来ていて、それを読んでいるうちに、私の中でイライラが増幅し、頭の中で文句が膨らんでいくのを感じました。そのままそのメールには返事はせず、パソコンを閉じました。その日は一日、モヤモヤ・イライラ・・で過ごし、そのことを“メールのせい”だと思っていました。

そして夕方、目を瞑ってリラックスする時間を作り、自分の頭の中を静かにすると、あることに気づいたのです。

それは、前日ある出来事から自分の中に“怒り”が湧いた瞬間があり、その“怒り”をキャッチした私は、次の瞬間周りの人に気づかれないように“怒り”の感情にフタをしたという、その時の自分が浮かんで来たのです。

その日一日のモヤモヤ・イライラは“メールのせい”ではなく、閉じ込められて表現されなかった“怒り”だったのです。

“怒り”を閉じ込めたのは無意識でした。そして、そのモヤモヤ・イライラを他のことにすり替えてしまっていたことにも無意識でした。

このことから、自分は自動的に負の感情にフタをし、クリアーでない居心地の悪さに何か理由付けをしているんだなと気づきました。

 

その日の私は、仕事をしていも、人と話をしていても、なんだか本来の自分ではない感覚がありました。それはパワーのない状態です。

 

私たちはこうして自分の中にある感情にフタをして感じないようにし、自分の思っていることを言わずに、本来の自分を表に出さないようにして生きているのかもしれません。

そうしている間は、どこかパワーがなく、力が入らないような感覚になります。

 

私の知り合いも同じような状態に、今、陥っています。

あまりにもフタをした人生を過ごして来てしまったので、どこで・いつ自分の感情にフタをしたのかすらわからなくなり、自分が自分でないように感じているようです。

そしていつも、「これでいいのかな」「これを言っても大丈夫かな」「こんなことしておかしくないかな」・・と、“自分がどうしたいか”よりも“人がどう思うか”に意識が向いています。

 

このような体験は、誰にでもあるのではないでしょうか?

何か正しい答えがあるように思っていたり、

人から言われたことが真実になってしまったり、

他の人と同じようにしていることが安心だったり・・

 

私たちみんなが他人の顔色を見て過ごしているとしたら、どういう世界になるでしょうか?

私たち一人ひとりが自分自身のやりたいこと・思ったこと・感じたことをせずに過ごしている世界はどうなるでしょうか。

 

逆に、自分自身のやりたいこと・思っていること・感じていることを大切にし、世界に発信している人はどんな人でしょうか?

一人ひとりが自分自身の想いを表現できる世界とは、どんな世界でしょうか。

 

一人ひとりが自分自身に“本物である”ということが、豊かな表現の世界を創り出すのです。

“本物である”という状態は、自分自身の言葉をそのまま発することに躊躇がなく、自分自身の考えに正直であり、自分自身の感覚を信じている・・そして、周りの人に対しての絶対的な“信”がある。

そこには、不安も迷いもありません。

これが、私たちが本物として存在しているという状態です。

 

私たち一人ひとりが、出て来た感情に“本物である”時、その感情のエネルギーは表現されて、ネガティブなものは消え、ポジティブなものは現実を創り出すパワーの源になります。

私たち一人ひとりが、出て来た思考に“本物である”時、その思考が現実を創り出すパワーとなります。

私たち一人ひとりが、出て来た感覚に“本物である”時、他人との繋がりを感じ、私たちは一つであるという真理に行き着きます。

 

私たちが“本物として存在する”時、全ての人が生き生きとした人生を手に入れ、平和な世界を実現することが可能となります。


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誠実に、感情を扱う

先日公園の中を歩いていた時、凄まじいセミの声に囲まれ、驚きました。一緒に話しながら歩いていた人の声も掻き消され、自分の声すら聞こえず、頭の中までセミに占領されてしまったようでした。その公園を抜けると急に静かになり、私の頭の中にシーン・・という静寂が訪れ、一瞬空っぽになったような体験でした。

 

 

少し前にこんな夢を見ました。

私はどこか広い敷地を歩いていました。疲れたので近くに積み上げてあった角材の上に腰を下ろし、休んでいると、その角材はクレーンで吊り上げられてしまい、ビル5階くらいの高さで止まりました。私は恐ろしくて身動きもとれず、声も出せずにすくんでしまいました。

その時携帯電話がなり、着信の画面を見ると仕事のクライアントからの電話でした。私はその電話を何事もないように平然と話していました。電話が終わった途端、恐ろしさに襲われ「キャーー!」と叫び・・目が覚めました。

 

この夢の体験から、咄嗟にネガティブな感情を押し殺し隠してしまう私なんだ…ということに気がつきました。

あまりにもリアルな夢で、この体験が私の中に残り、もしかしたらこのように自分の感情を押し殺しながら、人生を送っているのかもしれないと感じたのです。

そしてその夢を見た次の日、ある青年に会いました。その青年は、一人でいると“怖い”“寂しい”“不安”という感情に押しつぶされそうになる・・ということでした。そしてそれらのネガティブな感情を感じないように、しょっちゅう友だちと会ったり、誰かと出かけて気を紛らわせたり・・という生活をしていました。

でも、ネガティブな感情は膨らんで行くばかりで、どうしたらいいかわからなくなっているような状態でした。

そこで私の夢の中での体験を話すと、「ぼくも平気なフリをしているのかもしれない・・」と気づきました。

 

ネガティブな感情は、感じないようにしたり、見ないようにフタをしたり・・ということを自動的にしている私たちなのかもしれません。

特に男性は、「男の子なんだから泣かないの!」「男の子は強くないといけない」と育てられてきて、自分の弱い部分や感情を直視しないように生きているのかもしれないのです。

また、親から「いい子」に育てられてきた人も、ネガティブな感情…怒りや悲しみなどは“悪いもの”として、感じないようにしてしまうことがあります。

 

また、最近はポジティブシンキングが“良いこと”とされている傾向もあります。このポジティブシンキングは、ネガティブな感情や考えを出さないように、出さないように・・と思考で押し殺してしまいがちです。

押し殺した感情は、自分の中でどんどん大きく膨らみ、そのうち抱えきれなくなってしまいます。

 

感情もエネルギーです。

ネガティブな感情はマイナスのエネルギーとして、ポジティブな感情はプラスのエネルギーとして存在します。両方の感情を受け入れることが大切です。

 

私は子どもの頃、良く言えば感受性が豊か・・悪く言えば感情の起伏が激しい子でした。

今でも覚えているのが、自分が遊んでいたおもちゃを妹に取られてしまい、怒りに任せて「返せ!」と追いかけ、取っ組み合いになりました。その時親が「お姉ちゃんなんだから貸してあげなさい!」と、そのおもちゃは妹に渡されてしまいました。私は自分の怒りが収まらずに近くにあった物をバーンと蹴っ飛ばしたのです。それを見た親も激怒し、押し入れに入れられました。

その時期の私は、いつでも爆発しそうな怒りのエネルギーを抱えていました。

 

私はお人形ごっこが好きでよく一人で遊んでいました。ヒーローと悪者の戦いを演じて人形を戦わせたり、王子様とお姫様の物語を作ったりしていました。

そして人形を通して、怒ったり、泣いたり、喜んだり、悲しんだり・・と感情移入していました。

その当時の私は、怒りと何だか泣きたい気持ちが入り交じっていて、お人形ごっこを通してそれらの感情を発散していたんだということが今はよくわかります。

 

子どもの様子を表すことわざで「泣いたカラスがもう笑った」という言葉がありますが、昔の人は『子どもとはこういうものだ』と泣いたり、怒ったり、笑ったりしている子どもを、理由探しをせずにどっしり見守っているあり方がこの言葉から感じられます。

 

 

感情のエネルギーは理由があって出てくる訳ではありません。

怒りが出て来たら、そこに怒りのエネルギーがあるだけ。

悲しみが出て来たら、そこに悲しみのエネルギーがあるだけ。

感情が出てくると「〇〇のせいで怒っている」「◯◯だから悲しい」と理由づけしたがる私たちですが、感情と理由とは別なのです。

理由付けしている時は、思考で感情を作り出し、その感情がまた思考を刺激するというように悪循環している状態、これを“カーママナス”と言います。

 

感情が出て来たら、理由をつけず、ただそれを味わうだけにしてください。

怒りが出て来たら、ただその怒りを感じ、誰もいない海に向かって叫ぶとか枕を叩いたりしてエネルギーを発散してみてください。

(人へぶつけることはしないで下さい。)

悲しみが出て来たら、ただその悲しみを感じ、ハラハラと泣いてもいいのです。

「なんで怒ってるの?なんで泣いてるの?」と聞かれたら、「怒りたいから怒ってる。泣きたいから泣いてる。」と、理由をつけないことです。

ただ、その自分の感情を誠実に扱って、表現するということが大切です。

 

“自分の感情に誠実である”

このことが、自分を大切にすることに繋がります。

自分を大切にし、感情を味わっている人は、人を大切に、人の感情に寄り添うことができる人となります。

体験があるからこそ、共感が生まれます。

体験があるからこそ、人との繋がりが生まれます。

そしてまた、他の人の体験は自分の体験にも繋がり、様々な体験をすることが可能なのです。

「世界はひとつである」は、共感から生まれる・・ということを感じます。

 

今の時代に最も大切なのは、この体験から来る共感・繋がりなのではないでしょうか。


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