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場の相互作用

桜が咲き始め、春の到来を感じます。いつも通る道に、ビワの木があります。少し前から淡く白っぽい緑色の新芽が空へ向かって一斉に伸び始めました。そのエネルギーが吹き出すような姿に引き寄せられ、近づいて見てみると、その若葉の横に同じ色の小さな実。その小さな実も若葉と一緒に一生懸命胸を張っているようで、小学校へ入学する新一年生の姿が思い浮かびました。次の瞬間、新しい世界へ巣立つ子ども達を想い、心の中でエールを送る私でした。

 

 

先日、以前私が受け持っていた子どものお母さんから

「あのクラスの子ども達は、今も自分の主張があって、ぶつかり合いはあるけれど、お互いに気遣う心があり、子ども同士の結束が固い。その子ども達の持っているものをつぶさないようにしていきたい。」

という話をされ、「同じように育てている園はあるのに、どうして子どもの姿に違いが出るの?」ということを聞かれました。

 

普通は、「子どもの自主性を育てる為にはこうするべき」とやり方があると思われていますが、私が実践していたことは、“場”作りでした。

ただ単に、“施設”や“環境”という意味での“場”ではなく、雰囲気のような、その場の空気感を大切にしていました。

 

では“場”とはなんでしょうか?

 

その園では、『大人も子どもも自分らしくいられる場』ということを意識していました。その時の私自身の内側の状態を思い出してみると、“愛情で満たされているような感覚”です。

その“場”で過ごす日々は、子どものケンカももちろんありました。子どもを叱る場面や保育者自身も悩んだり、イライラしたりすることもありました。

その“場”で過ごす子ども達は、楽しいことを思い切り楽しみ、悲しい時は思い切り泣き、怒る時は大きな声で怒る…という、自分の感情に正直でいられました。

それが、“あるがまま”の子ども達の姿でした。

時には、大人にとって頭を悩ますような状態…“ふざけ”の度が過ぎたり、“やらないで”ということを繰り返したり、静かにしてほしい時に静かにならなかったり…ということもたくさんあり、イライラしたり、自信を無くしたりしました。

大人もそうした自分の感情を“いけない”とせず、その感情を受け入れながら、大人自身も“あるがまま”の姿で過ごしていました。

その感情をもろに子ども達へ向けることはなく。

 

子どもの“あるがまま”を受け入れようにも、大人自身の気持ちがイライラしたり、疲れてしまったり、他の人への配慮でハラハラしていたり…と、受け入れる余裕がない時もあります。

そのような時は、その自分の感情を“いけない”と評価をせず、“仕方がない”と正当化もせず、“あるがまま”を観て、個人としての自分ではなく、“場”を共有し拡大した自分を意識してみると、新しい発見があるかもしれません。

 

 

表面的に目の前の事象を見ると、一人ひとり別々の人間が同じ場所にいて、それぞれのことをしている…という風に見えます。

拡大した自分で俯瞰してその“場”を観てみると、別々の人間の集まりに見えますが、それぞれのエネルギーが影響しあって、その場ができています。

その“場”の中には、もちろん個人としての自分も含まれます。

 

 

ある日、1歳から2歳の子どもが数名いる保育室で、こんなことがありました。

Aくんは、お母さんが出産したばかりで赤ちゃん返り(赤ちゃんに戻ったかのようにぐずったり甘えたりする状態)をしていました。

その時Aくんは、寝転がって電車のおもちゃで遊んでいましたが、そこにBくんも一緒に遊びたくて近づいて来ました。

するとAくんが「こないで!やだ!」と怒り出しました。Bくんはどうにかして電車を取ろうと、「かして」と言ったり、こっそり近づいて手を出したりしていました。

そこに保育者Cが、Aくんが不安定なのを知っているので、Bくんを止めに入りました。

するとBくんが大きな声で怒り出し、Aくんが抱えている電車を奪いに行きました。

保育者Cの行動が火に油を注ぐ状態になったのです。

 

ここでのポイントは、エネルギーでした。

Aくんをそっとしておこうと思う保育者Cのエネルギーは“ケンカが起こるかもしれない”という“不安”のエネルギーでした。

Bくんの中にもおもちゃを貸してもらえないという“不満”のエネルギーが沸々と湧いていたところへ、保育者Cの“不安”エネルギーが加わり、爆発したのです。

『何かが起きないように…』という意識は、『何かが起きる』という風にエネルギーは作用します。

 

このケンカの結末は、面白い形で収束しました。

そこに状況を知らない保育者Dが部屋に入って来て

「わぁ!この線路Aくんが繋げたの〜?たくさん繋がったね〜!」とあっけらかんと言ったことで、その場の緊張したエネルギーがふわ〜っと解けて行きました。

その後は、AくんとBくんと保育者Dで穏やかに遊び始めました。

“不安”も“どうにかしなければ”というエネルギーも“何もなし”の状態の保育者Dが入ったことで、その場に発生してたネガティブなエネルギーが中和されたのです。

保育者Cが悪いとか保育者Dが良いとかではなく、これはその人が持つエネルギーの作用なのです。

“不安”などのネガティブなあり方は、ネガティブなことを引き寄せ、楽観的でポジティブなあり方は、ネガティブなエネルギーを中和します。

 

 

このように、一人ひとりが持つエネルギーが“場”に影響します。

イライラも不安も『何か起こるかもしれない』という思考も全てエネルギーです。

だからこそ、心を開いて落ち着いて目の前で起きていることを観てみてください。

すると、子どものケンカすら愉しめる自分に気がつくかもしれません。

 

一人ひとりがエネルギーを知ることで、“場”を創り出すことができます。

“愛に包まれた場”は、一人ひとりのユニークさ(独特な個性)が発揮できる場となります。大人も子どももユニークさを表現して生きることが真の自己表現であり、その自己表現は愛と歓びで成り立ちます。

一人ひとりのユニークさが発揮できる世界は、今まで私たちが見たこともないような新しい世界となるのではないでしょうか。


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