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2015年10月

言葉にエネルギーをのせる

道に落ちている枯れ葉を見ながら歩いていると、ふわっと何かが目の前に現れました。落ち葉が風に舞い上がったのかと思い、よく見ると黄色に茶色の模様がついた蝶でした。まるで落ち葉の様な色の蝶に、秋の訪れを感じました。

 

 

先日あるスーパーの休憩所で、4才くらいの男の子がおじいちゃんとおばあちゃんと一緒に、お母さんの買い物が終わるのを待っている様子でした。

しばらくすると、男の子が

「あ〜のどかわいた!のどかわいて死にそう!!なにかのませてよ〜!のどがかわいて死にそうなんだよ!!死んでもいいっていうの?!」

と騒ぎ出しました。

おじいちゃんとおばあちゃんは、

「もうお母さん来るよ。まったく遅いねぇ」

などと一言・二言いうと、その後は二人ともスマートフォンで暇つぶしをしていました。

 

私が驚いたのは、その男の子の言葉の強さでした。ほとんど命令形の様な口調で大騒ぎしているのです。どんどんエスカレートしていくに従って、おじいちゃんとおばあちゃんはますます見て見ぬ振り。もしかしたら、その男の子の姿はいつものことなのかもしれないと思いました。

 

 

この出来事からまた別のエピソードを思い出しました。

以前、ある野外保育をしているところに見学に行った日の事でした。

私の前を二人の男の子が歩いていました。そこは、ぬかるみに落ち葉が降り積もって、歩くとふわふわするような道でした。二人は

「ぷかぷかするねぇ」「ぷかぷかするねぇ」

「おもしろいね」「おもしろいね」

「なんでだろうね」「なんでだろうね」

と柔らかい雰囲気で笑い合いながら話していました。

すると、後ろからタタッと追いついてきて、その話を聞いた、二人よりも少し背の高い男の子が

「その下には水があるからプカプカしてるんだよ!しらないの!?」

ときつい口調で二人に向かって言い放ちました。

私は『あ、ケンカになるかな?』と思いながら見ていると、二人組の男の子がそれまでの口調と同じ、柔らかい雰囲気で

「そうなんだ〜」

「〇〇くんすごいね〜」

と、その口調のきつい子に言いました。すると、後から来たその男の子は、拍子抜けしたように

「そうだよ〜下に水があるんだって。」

と、今度は二人と同じ柔らかい口調になって答えました。

私はその二人が売り言葉に買い言葉でケンカになると思っていたので、意外でした。そして、二人の柔らかい言葉がケンカ腰の子の言葉も柔らかく変えてしまったことに感動しました。

トゲトゲしたエネルギーが二人の穏やかなあり方のエネルギーで中和されて、ネガティブなエネルギーが消えてしまったのです。

 

 

最初のエピソードの男の子の言葉には、怒りの様な、イライラしたエネルギーを感じました。そのネガティブなエネルギーを持ったまま、人に害を与えているといった様子でした。

いつまでもネガティブエネルギーを抱えたままでいると、当たり散らすという状態に陥ります。

イライラしている相手にイライラで対応すると、そのイライラエネルギーは倍増します。

イライラしている相手を相手にしない…と決め込んで“無視をする”という状態でも、表面上で無視の振りをしているだけなので、その人の中に“イライラ”があれば同じ事です。

 

怒りを持った人に対応する時に、その対応する人の中に怒りのエネルギーがないと、2つ目の穏やかな二人のエピソードのように、そのネガティブなエネルギーは消えてしまって、その場に影響は与えません。

同じ様な怒りのエネルギーを持ったもの同士が近づくと、そのエネルギーが増幅し、ケンカになります。

子どものケンカでも、中途半端に大人が収めてしまうと、そのエネルギーを引きずって、また別の場面で同じ子とケンカをしているということが起きます。

何を言ったか、やったかよりも、その言葉に含まれているエネルギーやその人が発しているエネルギーが原因の場合が多いのです。

 

言葉もエネルギーです。そして、その言葉が含むエネルギーの質も様々です。

言葉を発する方も、聞く方も、

“その言葉にどんな質のエネルギーが含まれているのか?”

ということに意識を向けることが大切です。

エネルギーですから、地球の裏側で誰かが噂をしていると、噂をされている側に影響を及ぼしているのかもしれません。

 

いつも顔ではにこにこしているけど、なんだか信用できない感じのする人がいませんか?

そういう人には、本当の気持ちを隠しているという“うそ”のエネルギーが漂っているのです。

また、いつも厳しく叱ったり、注意したりする人だけど、信頼がおけるという人がいませんか?

そういう人は、相手を力づけるというあり方から来る“愛”のエネルギーを発しているのかもしれません。

 

このように、言葉には“意味”だけではない、もっと私たちに影響を与える“質”が伴っています。

仏陀が我が子ラーフラに説いた言葉に、「口にしてよい言葉の条件は、自分に害を与えないこと。他者に害を与えないこと。両者を含めた生きとし生けるものに害を与えないこと。(要約)」とあるそうです。

“自分がどんなエネルギー(質)を持つ言葉を発するか。”を意識し始めましょう。

時には“沈黙”で在ることが、負のエネルギーを生まない、増幅させない方策なのです。

 

本来、子どもは2つ目のエピソードの二人のように、穏やかな存在なのだと思います。

怒り・イライラ・悲しみを大きく抱えてしまうのは、大人(身近な大人だけでなく、テレビなども含む大人)が発する言葉のエネルギーなのかもしれません。

穏やかな世界で遊ぶ二人の子どものように、私たち一人ひとりの意識が穏やかな世界を創るのではないでしょうか。

 


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  <おしらせ>

いつもこのコラムを読んでくださって、ありがとうございます!

来る10月14〜15日で東京で開催される、子ども子育てネット主催の全国セミナーにて講演をすることになりました。

「体験を通して成長する子どもと大人の関わり」というテーマで、15日の早朝セミナーにて話します。

自然の中での保育の写真を見ながら、大人の関わりについてお話しますので、ぜひご参加ください。

詳細は「日本子ども子育て連絡協議会」HPにてご確認ください。

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