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充分である世界

私は自然の中に身をおくと、心も体も元気になります。キラキラとした木漏れ日を浴びながら、樹々の葉がこすれる音を聞いていると、自分の体も自然の中にとけ込んでしまったような感覚になります。大きな樹のてっぺんにも行ける軽い自分が手に入る様な気がするのです。

 

 

先日、腰痛でカイロプラクティックの先生に施術してもらいました。

痛いから先生に“治してもらう”という気持ちで受けました。

ところが、その施術をしている先生のあり方は、“治す”のではなく“治る”というあり方なのです。

先生は「人は自分で治す力をすでに持っているから、それをサポートしている」というようなことを話してくれました。そして、その先生は私を“治る人”として扱っていることが伝わって来ました。

このことから、“悪い”から“治す”のではなく、ただ“痛みがある”ことを認識し、そして“すでに治る人”という前提で治療をしている先生のあり方を感じました。

その治療を受けている私も“すでに私は治っている人”というあり方に自然になっていました。

“悪いもの”や“痛みのもと”があるからどうにかするのではなく、そのままを認め、ただそれを自分には“治す力がある”と信じられる体験でした。

 

 

これは、子どもに対しての大人のあり方にも繋がると思いました。

世の中には、“何かが悪い”“足りない”という考えの元に成り立っている事や物が多いのではないでしょうか。

一般的な医療だと、“悪い”から“治そう”“取り除こう”または、栄養が“足りない”、運動が“足りない”というように、あの手この手と手を加えて行きます。

そして教育や子育てでも、“悪い”“足りない”から“直す”“正す”“教える”“与える”というようになっていて、子どもはそのままで良いという風にはなっていません。

医療も教育もこのような考えではないものももちろんあります。

人の持つ自然治癒力を信じている医師もいるし、医療もあります。

子どもの力を信じ、引き出すという教育・保育をしている場も教育者・保育者もたくさんいます。

でも、今の主流はまだ前述した“何かが悪い”“足りない”医療や教育です。

 

 

私たち一人ひとりのあり方を見てみると、「今のままで充分・満足」と言える人はどれだけいるでしょうか。

自分の生活、仕事、持ち物、知識・・など、一つひとつをよく観てみると、

もっと良い家に住みたい

もっと最新の家電がほしい

もっとお金があれば・・

もっと頭が良ければ・・

もっと、もっと・・と“足りない”世界に住んでいるのではないでしょうか。

 

以前、こんなことがありました。

近くの街まで片道約50kmという田舎で一人暮らしを始めた時、友だちに「一人でそんな田舎に住んで、不便じゃないの?寂しくないの?」と言われました。

その時の暮らしは、5畳程しかない部屋で布団もなく寝袋で寝起きをし、テーブルは段ボール箱でした。でも、いつも同僚や友だちから新鮮な野菜や果物、お米や海産物などの“お裾分け”が届き、みんなで一緒にそれを食べることが多く、不便さや寂しさなど感じたことがありませんでした。必要な物はすでにあるという感覚で、シンプルな暮らしに満足をしていました。

物は少なかったけれど、“足りない”と思ったこともありませんでした。

 

 

この世の中で存在するあり方は2通りあります。

“足りない”というあり方と“充分である”というあり方です。

そのどちらのあり方を選択するかが、人生の土台になります。

 

“足りない”という土台だと、どんなに物質的に豊かな生活をしていても、どんなに知識や地位を得ても、満足な世界は現れません。

いつも何かが足りず、何かが悪い・・

だから、資源を取り合い、争います。

もっと上へと誰かを蹴落とします。

まだまだと自分を追い込みます。

まだまだ足りない、もっと上へと子どもや人を追い込みます。

“足りない”という土台が、人を追い込んで自殺を生み、戦争を生むのです。

 

すべてが“充分である”という土台の世界であったら、教育も医療もその他食糧等の問題もすべてが一変するのではないでしょうか。

子どもがすでに“充分”であったら、“足りないとこ探しの教育”から“あるとこ探しの教育”に変容していくでしょう。

人には治る力が“充分ある”であったら、医療はもっとシンプルに。

世界の資源が“充分ある”であったら、お金や食糧・物など資源の分かち合いが生まれる。

時間も“充分である”としたら、イライラもなく人間関係も穏やかでいられる。

“充分である”という意識が、世界の平和を創り出します。



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