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親子の会話の質

涼しくなって来て、我が家の植木がますます元気になりました。暑さで一度枯らしてしまったミントとバジル、ミニバラ・・。水をあげ続けていたら新しい葉が出て、みるみる元気になり、今では葉がたくさん茂り、花が咲いています。その回復振りが嬉しく、愛おしく、エネルギーを注いだ植木にエネルギーをもらっている私です。

 

 

先日、友人親子のエピソードを聞きました。

子どものK太くんは、就職して仕事をしています。その職場での悩みが尽きないようでした。

ある日、帰宅したK太くんが話を聞いて欲しそうにしているので、テレビを消して向き合って話を聞いたそうです。

「今日、職場で先輩にチラチラ見られて、なんかチェックされているようで嫌だったんだ。それでそっちが気になって、接客がうまくいかなかったんだ。」

という話でした。母親である友人は、

「実際にあったことは、先輩がK太の方を時々見てたってことだね。それに対してK太がチェックされてるとか、評価されてるという風にストーリーを作っているのかもしれないよ。人は何かに反応すると、その反応に対して頭の中でストーリーを作り上げてしまって、事実とは違うこともあるんだよ。」

と話したら

「あぁ、先輩はただ見ていただけだ!チェックされてる訳ではなかったんだ」

というような話になったそうです。

そして次の日、K太くんから携帯にメッセージが来て、こんなやり取りをしたとのことでした。

K太「おれは先輩に評価されているっていう“恐れ”があったことに気がついたんだ。“恐れ”は自分の心の中で作り上げているものなんだね!なんか面白くなって来た!」

母「その通り!!素晴らしい洞察を得たね。いいぞ!K太」

K太「筋トレしてみます!」(自分の心を鍛えるという意味)

K太くんの姿に感動した友人がこのやり取りを話してくれました。

私は日常的にこのような会話ができている親子の関係が素晴らしいと感じました。

 

もうひとつ、他の友人親子のエピソードです。

その友人の子どもは「学校に行きたくない。学校が嫌で眠れない。」と訴えて来るとのことでした。その子は少しこだわりの強い子で、話をはぐらかそうとしても、きちんと向き合わないとその話は終わらないということでした。

そこで友人は、サザエさんやコナンのお話仕立てにしたり、「お母さん相談室です。リスさん今日はどうしましたか?」というように、リスやクマに模した相談室などをしたりしながら、その話を聞いている…ということでした。

子どもの話を邪険にすることなく、戸惑いながらもどう受け止めようかと工夫していることがわかります。

そして、子どもを何かに模して自分を表現させるということは、自分のことだと言いにくい事や深刻になり過ぎてしまう事を、俯瞰して話せる術のようにも感じました。

 

 

この二人の母親に共通していることは、きちんと子どもの声を受け止めようという真摯なあり方です。

子どもにはその子を取り巻く社会があり、そこで様々な体験をします。

何かあった時、何か疑問を感じて子ども自身では持ちきれなくなった時に大切なのは、この母親のようにその思いを受け止めてくれる存在なのです。

“解決する”“答えを出す”という結果が大切なのではなく、子どもが考えるプロセスに寄り添うあり方(Be)が大切なのだと思います。

 

“そのままでいい”“ありのままを認める”と言っても、子どもが実際の社会に出ると、そのままにしておけない状況が出て来ることもあると思います。

その時に大切なのは、何かをさせる・行動を促すこと(Do)でもなく、ただその子の存在(Be)に寄り添うだけ。

 

「仕事がうまくいかない」

「先輩に叱られてばかり」

「学校の勉強がいやだ」

「学校に行きたくない」

これらのことは、その子どもの中にあることです。

その“ある”ことをそのまま受け取ってあげて、そのままにしておく。

それが“Let it be”です。

 

“子どもにそのことがある・出て来た。”

そして、

“自分(親としての自分・教師、保育者としての自分)はどうであるのか?”

“目の前の子どもにとってどういう存在であるのか?”

自分自身を観ることが大切です。

 

もしかしたら、子どもの言うことに反応している自分がいるかもしれません。

例えば「勉強したくない」と言われた時

自分の心の中(内面)で、

“ムカっ!”“イライラ…”

“まったく…どうしたらいいのかしら。”

“いつも嫌なことから逃げるんだから。”

というような感情や考えが出て来たら、それは反応です。

これが出た時に、それをただ出て来たなぁと俯瞰して観る。

反応は反応として脇に置いておくようにします。

反応は出て来るものですから、否定する必要はありません。

いじらずに脇に置いておくということが大切なのです。

 

そして、“私はこの子にとってどうであるのか。どういう存在なのか”(Be)を創り、その自分であるだけなのです。

 

“私は子どもを力づける人です”

“私は子どもの成長を促す人です”

“私は子どもの安全基地です”

というような、自分にピッタリ来るものをシチュエーションに合わせていくつか創っておくことをおすすめします。

 

子どもが「お母さん/お父さん/先生……」と相談を持ちかけて来た時に、その創ったあり方(Be)で話を聞き、寄り添う。

このあり方(Be)が子どもとの会話の質を上げることになります。

 

K太くん親子の会話の中であったように、「自分の心(内面)で作り出しているストーリー」を真実だと思って、出来事を扱っていることが、私たちの日常の中で多々あります。

外側で起きている出来事をどうにかするのではなく、自分の内面の感情・考え・態度を観察することが大切です。

そのことを子どもと一緒に話すということは、自分自身の内面も鍛えられます。

一人ひとりが自分の内面を鍛える筋トレをすることが、平和な世界を創ることに繋がります。

一人ひとりの内面で創り上げているものが、この世界に現れるのですから。



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