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あるがまま

私はどんなにきれいな街並みよりも、どんなに素敵な絵画よりも、一番美しいアートだと感じるのが、自然です。

森の中を歩いている時に見る、古木の幹を伝うツル性の葉の規則正しさ。

道端に咲いている小さな花の緻密で繊細な花びら。

オレンジ色に染まった夕暮れの空が濃い紺色に変わっていくグラデーション。

一輪のひまわりを手にしても、自然への畏敬の念とともに大自然のアートに浸る体験があります。

 

 

 “ある大物歌手が何度経験しても、大きなステージの前になると緊張する。そんな時は「楽しめ」と自分に言うそうだ。”

という様なエッセイを読みました。

私も以前、あるプログラムの最終プレゼンの直前で緊張している時、「緊張があるのは当たり前。ただそれをポケットに入れて発表に望みなさい」と知人からアドバイスをもらった事があります。

 

 

人というのは、良くも悪くも想像力豊かな生き物です。

頭の中で『失敗する場面』『間違える場面』『欲しい成果が手に入らなかった時のこと』…などなどを想像し、緊張を引き起こします。

そのほとんどは、『まだ起きてもいない事への不安や心配』が多いのです。

 

以前、こんな相談を受けた事があります。

「うちの子、デベソなんですけど、小学校に上がる前に手術した方が良いでしょうか?」…と。

少し気の弱い感じの子で、子ども同士のちょっとしたやりとりでも“やられた〜”と大人に訴える子でしたから、小学校に入ったらデベソが原因でいじめられるかもしれないという母親の不安からの相談でした。

 

このように、人はまだ起きていない事への不安を抱えて生きていることが多いのです。

生涯ひとりきりだったらどうしよう

お金が無くなって苦労したらどうしよう

怪我をしたらどうしよう

病気になったらどうしよう

子どもがいじめられたらどうしよう

子どもが苦労したらどうしよう

などなど…未来への不安が尽きない人も多いのではないでしょうか。

特に子どもに対しては、子どもが失敗しないように…、悪いことが起きないように…と、子どもが体験することを“あるがまま”にしておくことは難しく感じるでしょう。

 

自分のこうした考えに頭の中が支配されると、感情も不安になったり、落ち着かなくなったり、体は力が入っていたり、逆にフワフワして力が入らなくなったり…と、“未来への不安”に乗っ取られた状態となり、表に現れてくる行動も“未来への不安”からの行動になります。

このような時は、思考と感情が混乱している(カーママナス)状態なので、言動も混乱してくるのです。

 

 

前に書いた、“緊張”している自分から“楽しむ”という自分にシフトしている大物歌手は、自分の“緊張”という状態を、客観視できているのだと思います。

まず自分がどういう状態であるのか、を認識する事が必要です。

今、自分は緊張しているなぁ

今、自分は不安なんだなぁ

 

これは、自分が緊張や不安“そのものだった状態”から、それを“手に持って眺める”ように、区別する心の中での作業なのです。

先に書いた、「緊張をポケットの中に入れる」ということは、

ただ今の自分の状態を認識し、そこにあるんだ…として観ること。

“あるがまま”がそこにある状態です。

 

今の“あるがまま”を受け入れると、その先の未来の結果に対しても“良い”“悪い”がなくなり、“失敗”“成功”もなくなります。

 

子どもの“あるがまま”を認めるためには、自分の瞬間、瞬間の“あるがまま”を認めることが大切です。

 

もし〇〇が起きたら・・

もし〇〇になったら・・

もし・・・

と心配し続けている中では、“今”起きていることを本当に見ている訳ではないのです。

“あるがまま”を見つめ、「これでよし。」とすることが、大人が子どもにしてあげられる大切なことの一つだと思います。

 

私たち一人ひとりが目の前の“あるがまま”を見、そこから選択し、行動することが、地球や人類への貢献に繋がるのだと信じています。


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